音楽をもっと身近なものにするために、ヴァイオリンを中心にさまざまな楽器編成で、演奏機会の少ない現代・近代の作品を取り上げて、室内楽コンサートを行っています。初めて聴く音楽に耳を澄ます楽しみを味わってください。
めるし・あ・ゆりえ
カルチエミュジコのディレクトリス・ヴィオロニストとして、2001年3月から2010年10月までの10年間にわたり、すべてのカルチエミュジコのコンセ ールに出演した羽室ゆりえ(26/01/1952 - 08/01/2011)へのメッセージをお寄せください。

□先ほど母より連絡がありました。突然の悲報に、なんの心構えも出来ておらず、また、ゆりえさんと多くの時間を共にした方々の悲しみを思うと、言葉がありません。年末年始にメイルを頂いていたのに、返信するのがこのようなタイミングで、申し訳ございません。今、この悲しみを癒すことは出来ませんが、今まで聴かせて頂いた音楽の記憶、ヴァイオリンを弾いていらっしゃる姿は決して忘れません。ゆりえさんの奏でる素晴らしい演奏が私たちの心に残っています。感謝の気持ちでいっぱいです。最後のお別れになるなんて信じられません。自分の気持ちが落ち着くまで祈りたいと思います。心よりご冥福をお祈りいたします。MK 09/01/11

□メルシ・ア・トワ、ゆりえ。おつかれさま。mi 14/01/11

□音色にも、響きにも、奏でる身体にも、聴く私たちの耳にも、
ほんの少しも無理なところのない、あなたのヴァイオリン/音楽を、
こんなにたくさん聴けてよかった。
もう聴けないことがたとえようもなく哀しい。
ありがとうね、ゆりえさん。NN 15/01/11
小さな空間、豊かな感情                      ミレイユ・ラロッシュ演出『サロン・ベルリオーズ』         羽室ゆりえ
 パリ・モンソ公園近く、17区ロジェルバック通りの
オプノ女史の玄関の呼び鈴を押すと、いつも家政婦のシ
ーナが出迎えて、サロンに通してくれた。ヴァイオリン
のレッスンのために、長い時には1時間近くひとりで待
たされることのあったそこの広いサロンの様子を、私は
よく覚えている。グランド・ピアノに室内楽用の椅子と
譜面台がつねに並べられていて、通りに面した明るい窓
際には、なにやら由緒のありそうな布張りの古い椅子が
主役然と一脚置かれていた。障子を思わせる大きな間仕
切りの向こう側にはソファ、窓に向かって仕事机、書架
には写真集や書物が並んでいた。花瓶には美しい花の絶
えることのなかったそのサロンで、ときどき室内楽や独
奏の夕べの集まりが開かれ、幅広いジャンルの友人や知
人、そして弟子たちも招かれていた。

 19世紀以降パリやウィーンでは、こうした私邸で招
待会が開かれ、芸術家たちの交流の場であった。そのよ
うなサロンの形式に注目し、これまでロッシーニや、セ
ヴィーネ夫人とフォンテーヌのサロンを再現してきたラ
・ペニッシュ・オペラのミレイユ・ラロッシュは、昨年
より『サロン・ベルリオーズ』を公演している。しかし
ベルリオーズといえば、現代でこそフランスを代表する
ロマン派の作曲家として、確固たる位置付けがされてい
るが、当時の音楽界では、彼の音楽はなかなか受け入れ
てもらえず、ときには狂人扱いさえされて、苦悩に満ち
た生涯を送り、おまけに室内用の器楽作品にはあまり縁
のなかったこの作曲家が、サロンという形式とどのよう
に結びつくのか、とても興味があった。

 ペニッシュ・アデライーデの数段の階段を降りて内部
に入ると、サロンほどの空間の狭い幅の両壁際に二列ず
つベンチが並べられて、中央の花道のような通路の先に
ステージがあり、椅子が並べられ、コート掛けに外套や
帽子が掛かっている。このステージと通路には茶色のイ
ンクで楽譜の描かれた象牙色のシートが張られている。
そういえば、入口右手のバーに同じ琥珀色のお酒の入っ
たグラスがお盆の上に並んでいる。それらの明るい色調
が、黒い鉄壁もむき出しの殺風景な空間を華やいだもの
にしている。

 まずは楽士たち  ハープを中央に、上手のフルート
とオーボエの管楽器奏者、下手のヴィオラとチェロの弦
楽器奏者の五名  が、琥珀色と杏色に統一された当時
の衣装で登場、ヴィオラ独奏で『イタリアのハロルド』
が始まった。軽快なリズムの曲想に変化したところで、
奥からソプラノ、テノール2名、バリトンの合計4名の
歌手たちが歌いながら登場し、歌い終えると、入口のほ
うを指差して「やあ、ベルリオーズ」「エクトール、こ
っちへ来いよ」と呼び掛け、このサロンのわれわれの輪
のなかへ、実際には登場しない今夜の主人公を招き入れ
て物語を始める。ひとりひとりのアクトゥール=シャン
トゥールに、固有の役は与えられていないようだ。そし
て、この「コンセールとスペクタクルの中間」という、
ベルリオーズを囲んでの、ほぼ1時間半のサロンは、ロ
マンチックで、情熱家で激情家で力強いこの作曲家の
「全身像」を、1850年頃を舞台に描き出していく。

 脚本はテノールのイヴ・クドレ。台詞はすべてベルリ
オーズの書簡、評論、著書『回想録』から引用している
  作曲家として認められなかった彼は新聞に評論を書
くことで生活を支えていた  。オーボエ奏者ジャン・
ピエール・アルノは、この公演のためにアンサンブル・
カルペ・ディエム(ラテン語で「現在を楽しめ」の意)
を結成し、ベルリオーズの作品から『ハロルド』をはじ
め、初期の歌曲や『ファウストの劫罰』『ロメオとジュ
リエット』『キリストの幼時』などを編曲して、性格も
編成もさまざまな曲を見事に対比させている。ほとんど
が私の知らない曲だったが、美しい二重唱、三重唱が印
象に残った。

 劇は終始バランスのとれた柔らかい響きと演奏者や歌
手達の愉し気な表情の中で続けられ、彼らは客席とのお
互いの息遣いまで感じあえる距離で、ひとりひとりと目
を合わせ、反応を確かめながら進めていく。途中、例の
琥珀色のお酒が配られる。

 ベルリオーズにとって、交響曲やオペラをはじめとす
るすべての音楽は「劇的」で「管弦楽的」であって、ま
た彼は〈標題音楽〉という新しいジャンルをつくり出し
た。シェイクスピアをこよなく愛し、女優ハリエット・
スミッソンに対する感情体験を自伝的に取り扱って作曲
されたという『幻想交響曲』や『ローマの謝肉祭』『レ
クイエム』をご存知の方は多いだろう。このように徹底
して大劇場の大編成の楽曲にかかわった作曲家の人物像
を、限られたスペースで紹介しようという、この公演の
「たとえ小編成でも巨大な管弦楽同様に作品のエスプリ
を表現できる」とし、「小さな空間で豊かな感情表現を
試みる」という意図は、この空間を最大限にかつ積極的
に生かし、完成度の高い独自の個性的な作品を創り出し
て見事に成功していたと思えた。

 演奏後、《Hop!》という掛け声に合わせて、出演者全
員が挨拶をするために、衣装をつけたまま楽器をもって
通路を走り回る若い女性チェリストに、私ははらはらし
ながら拍手をしていた。     (2001年3月27日)

テオロス#14所収
http://www.ne.jp/asahi/theoros/forum/
これまでのコンセール
QM36
ヴァイオリン & パーカッション デュオコンセール
VIOLONS & PERCUSSION DUO CONCERT
2010年10月23日(土) ゆめりあホール大泉学園
羽室ゆりえ(Vl) 阪中美幸(Vl) 會田瑞樹(Per)

QM35
カルチエ・デテ2010
レジス・カンポ+宮川 渉 コンセール・ポルトレ-室内楽作品集-
QUARTIERS D'ÉTÉ 2010
RÉGIS CAMPO + WATARU MIYAKAWA CONCERT PORTRAIT
2010年6月19日(土) 横浜みなとみらいホール小ホール
羽室ゆりえ(Vl) 浜野考史(Vl) 中澤沙央里(Vl) 
中山良夫(Va) 江口心一(Vc)

QM34
クラリネット、ヴァイオリン & ピアノ トリオコンセール
CLARINETTE, VIOLON & PIANO TRIO CONCERT
2010年4月25日(日) ゆめりあホール大泉学園
西尾郁子(Cl) 羽室ゆりえ(Vl) 鈴木永子(Pf) 

QM33
ヴァイオリン、ヴィオラ & チェロ トリオ・コンセール
VIOLON, ALTO & VIOLONCELLE TRIO CONCERT
2010年1月30日(土) ゆめりあホール大泉学園
羽室ゆりえ(Vl) 民谷可奈子(Va) 松谷明日香(Vc)

QM32
ヴァイオリン コンセール モノローグ
VIOLON CONCERT MONOLOGUE
2009年11月22日(日) ゆめりあホール大泉学園
羽室ゆりえ(Vl) 

QM31
カルチエ・デテ2009
エディット・カナ=ドゥ=シズィ コンセール・ポルトレ-室内楽作品集-
QUARTIERS D'ÉTÉ 2009
Edith Canat de Chizy Concert Portrait
2009年7月11日(土) 神奈川県民ホール小ホール
羽室ゆりえ(Vl) 民谷可奈子(Va) 増本麻理(Vc) 
西尾郁子(Cl)  上野信一(Vib) 新垣隆(Pf) 

QM30
ヴァイオリン、チェロ & ピアノ トリオコンセール
VIOLON, VIOLONCELLE & PIANO TRIO CONCERT
2009年4月11日(土) ゆめりあホール大泉学園
羽室ゆりえ(Vl) 増本麻理(Vc) 鈴木永子(Pf) 

QM29
ヴァイオリン デュオ コンセール
2VIOLONS DUO CONCERT 
2009年1月31日(土) ゆめりあホール大泉学園
羽室ゆりえ(Vl) 浜野考史(Vl) 

QM28
フルート、ヴァイオリン & ヴィオラ トリオコンセール  
FlUTE,VIOLON & ALTO TRIO CONCERT 
2008年10月18日(土) ゆめりあホール大泉学園
立住若菜(Fl) 羽室ゆりえ(Vl) 民谷可奈子(Va)

クレール=メラニー・シニュベール  トリオ コンセール
2008年11月2日(日) 横浜赤レンガ倉庫1号館
羽室ゆりえ(Vl) 東義直(Va) 長明康郎(Vc)
2008年11月29日(土) ヴィラ九条山,京都 Mimiパーティー
羽室ゆりえ(Vl) 東義直(Va) 高麗正史(Vc)

フェスティヴァル・カルチエ・デテ2008 
Festival QUARTIERS D'ETE2008

QM27
カルチエミュジコ 2 ヴァイオリン& ヴィオラ トリオコンセール
2 VIOLONS & ALTO TRIO CONCERT
2008年6月28日(土) かながわアートホール
2008年7月5日(土) ゆめりあホール大泉学園
羽室ゆりえ(Vl) 浜野考史(Vl) 中山良夫(Va)

アンサンブル レ・タン・モデルヌ・リヨン 1
L'ENSEMBLE LES TEMPS MODERNES LYON 1
2008年6月28日(土) かながわアートホール
アンサンブル・レ・タン・モデルヌ

ランデヴ・アヴェック・キ? あんとらくとコンセール
Rendez-vous avec qui? concert d'Entr'acte
2008年6月28日(土) かながわアートホール
アンサンブル・レ・タン・モデルヌ(演奏)佐藤岳晶、森山智宏、神本真理(作曲)

アンサンブル レ・タン・モデルヌ・リヨン 2
L'ENSEMBLE LES TEMPS MODERNES LYON 2
2008年6月29日(日) かながわアートホール
アンサンブル・レ・タン・モデルヌ

ウィレム・ラチュウミア ピアノ・リサイタル
2008年6月30日(月) 神奈川県民ホール小ホール
ウィレム・ラチュウミア(Pf,tape)

QM26
クラリネット、ヴァイオリン & ピアノ トリオコンセール
CLARINETTE,VIOLON & PIANO TRIO CONCERT
2008年04月28日(月) 
菊地秀夫(Cl) 羽室ゆりえ(Vl) 新垣隆(Pf) 

QM25
ヴァイオリン & ピアノ デュオ コンセール
VIOLON & PIANO DUO CONCERT
2008年01月26日(土) ゆめりあホール大泉学園
羽室ゆりえ(Vl) 鈴木永子(Pf)

QM24
ヴァイオリン、チェロ & ギター トリオコンセール
VIOLON, VIOLONCELLE & GUITARE TRIO CONCERT
2007年10月13日(土)ゆめりあホール大泉学園
羽室ゆりえ(Vl) 阪田宏彰(Vc) 竹内永和(Guit)

QM23
ヴァイオリン、ヴィオラ & チェロ トリオコンセール
VIOLON, ALTE & VIOLONCELLE TRIO CONCERT
2007年07月04日(水)横浜美術館レクチュアホール
2007年07月08日(土)ゆめりあホール大泉学園
羽室ゆりえ(Vl) 中山良夫(Va) 森田香織(Vc)

QM22
クラリネット、ヴァイオリン & ピアノ トリオコンセール
CLARINETTE, VIOLON & PIANO TRIO CONCERT
2007年04月14日(土)ゆめりあホール大泉学園
西尾郁子(Cl) 羽室ゆりえ(Vl) 鈴木永子(Pf)

QM21
ヴァイオリン & ハープ デュオコンセール
VIOLON & HARP DUO CONCERT
2007年01月20日(土)ゆめりあホール大泉学園
羽室ゆりえ(Vl) 山崎祐介(Hp)

QM20
フルート,ヴァイオリン & ファゴット トリオコンセール
FLUTE, VIOLON & FAGOTTO TRIO CONCERT
2006年09月18日(月)ゆめりあホール大泉学園
立住若菜(Fl) 羽室ゆりえ(Vl) 桔川由美(Fg)

QM19
ヴァイオリン & コントラバス デュオコンセール
VIOLON & CONTREBASSE DUO CONCERT
2006年05月13日(土)ゆめりあホール大泉学園
羽室ゆりえ(Vl) 渡邊章成(Cb)

QM18
ヴァイオリン、ヴィオラ & チェロ トリオコンセール
VIOLON, ALTE & VIOLONCELLE TRIO CONCERT
2006年01月28日(土)ゆめりあホール大泉学園
羽室ゆりえ(Vl) 中山良夫(Va) 阪田宏彰(Vc)

QM17
クラリネット、ヴァイオリン & ピアノ トリオコンセール
CLARINETTE, VIOLON & PIANO TRIO CONCERT
2005年10月8日(土)ゆめりあホール大泉学園
西尾郁子(Cl) 羽室ゆりえ(Vl) 鈴木永子(Pf)

QM16
ヴァイオリン & チェロ デュオコンセール
VIOLON & VIOLONCELLE DUO CONCERT
2005年07月18日(月)ゆめりあホール大泉学園
羽室ゆりえ(Vl) 橋本しのぶ(Vc)

QM15
フルート、ヴァイオリン & ピアノ トリオコンセール
FLUTE, VIOLON & PIANO TRIO CONCERT
2005年04月09日(土)ゆめりあホール大泉学園
立住若菜(Fl) 羽室ゆりえ(Vl) 鈴木永子(Pf)

QM14
ヴァイオリン、チェロ & ピアノ トリオコンセール
VIOLON, VIOLONCELLE & PIANO TRIO CONCERT
2005年01月22日(日)ゆめりあホール大泉学園
羽室ゆりえ(Vl) 阪田宏彰(Vc) 鈴木永子(Pf)

QM13
ヴァイオリン & ヴィオラ デュオコンセール
VIOLON & ALTO DUO CONCERT
2004年10月03日(土)ゆめりあホール大泉学園
羽室ゆりえ(Vl) 中山良夫(Va)

QM12
クラリネット、ヴァイオリン & ピアノ トリオコンセール
CLARINETTE, VIOLON & PIANO TRIO CONCERT
2004年5月08日(日)ゆめりあホール大泉学園
高尾哲也(Cl) 羽室ゆりえ(Vl) 田中明子(Pf)

QM11
ヴァイオリン & チェロ デュオコンセール
VIOLON & VIOLONCELLE DUO CONCERT
2004年2月21日(日)ゆめりあホール大泉学園
羽室ゆりえ(Vl) 橋本しのぶ(Vc)

QM10
ヴァイオリン & ピアノ デュオコンセール
VIOLON & PIANO DUO CONCERT
2003年9月28日(日)ゆめりあホール大泉学園
羽室ゆりえ(Vl) 鈴木永子(Pf)

QM09
フルート、ヴァイオリン & ヴィオラ トリオコンセール
FLUTE,VIOLON & ALTO TRIO CONCERT
2003年05月11日(日)黒テント作業場
2003年05月14日(日)めぐろパーシモンホール
立住若菜(Fl) 羽室ゆりえ(Vl) 陣内 範奈(Va)、

QM08
ヴァイオリン、ヴィオラ & チェロ トリオコンセール
CONCERT DU TRIO A CORDES
2003年02月09日(日)黒テント作業場
2003年02月16日(日)めぐろパーシモンホール
羽室ゆりえ(Vl) 陣内 範奈(Va)、橋本しのぶ(Vc)

QM07
クラリネット & ヴァイオリン デュオコンセール
CLARINETTE & VIOLON DUO CONCERT
2002年10月27日(日)黒テント作業場
西尾郁子(Cl) 羽室ゆりえ(Vl)

QM06
フルート、ヴァイオリン & ピアノ トリオコンセール
FLUTE,VIOLON & PIANO TRIO CONCERT
2002年6月23日(日)ゆめりあホール大泉学園
立住若菜(Fl) 羽室ゆりえ(Vl) 鈴木永子(Pf)

QM05
ヴァイオリン & コントラバス デュオコンセール
VIOLON & CONTREBASSE DUO CONCERT
2002年4月28日(日)黒テント作業場
羽室ゆりえ(Vl) 河原田潤(Cb)

QM04
ヴァイオリン & チェロ デュオコンセール
VIOLON & VIOLONCELLE DUO CONCERT
2002年1月20日(日)黒テント作業場
羽室ゆりえ(Vl) 橋本しのぶ(Vc)

QM03
ヴァイオリン & ハープ デュオコンセール
VIOLON & HARPE DUO CONCERT
2001年9月30日(日)黒テント作業場
羽室ゆりえ(Vl) 伊藤元子(Hp)

QM02
ヴァイオリン & ヴィオラ デュオコンセール
VIOLON & VIOLA DUO CONCERT
2001年6月30日(土)黒テント作業場
羽室ゆりえ(Vl) 吉井孝子(Vl/Va)

QM01
ヴァイオリン & チェロ デュオコンセール 
VIOLON & VIOLONCELLE DUO CONCERT
2001年3月24日(土) 黒テント作業場
羽室ゆりえ(Vl) 橋本しのぶ(Vc)
作曲家との対話
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パリから東京短期滞在中の作曲家から
作品に対する解説をききました。

楽譜を読み取ることの限界なのでしょうか、
楽譜という記譜法の不完全さなのでしょうか、
作曲家本人から語られる、
30年ちかく前に作品が書き上げられたときの、 
4頁の小節線のない18段の五線譜のなかにこめられている、
測りしれない想いが伝わって、
貴重で得難い経験でした。

ピッチカートとアルコの音のひとつひとつ、
それらによる点と線の組み合わせ。
そして短い休符と長い沈黙。
点と線の対立・葛藤のなかにも、
全体のながれと区切りをつかむことが、
いかに重要であるか、
に思いいたる密度の濃い時間でした。

この測りしれない想いを、
いかに自分のことばとしていくか、
その道程の入口の階段の下にいるこれから、
段をひとつひとつのぼっていかなければなりません。
カルチエミュジコからのご挨拶のような




「カルチエミュジコって、どういう意味?」とよくきかれますが…。
身近なところで音楽を気軽に楽しんでいただこうと、室内楽のコン
サートを年に3~4回のペースで開催しています。

最初は劇団の作業場をお借りして始めました。そこの音響が気に入
ったからでしたが、ピアノがなく、客席の椅子も運び、照明も自分
たちの手でセットしました。そこが移転のためになくなって、今は
小さなホールを借りて続けています。

2001年からこの秋までで20回を超えることができました。珍しい
編成で演奏する回もあり、なかなか演奏されることの少ない曲目、
そして新しい作品を多く紹介しています。毎回本番直前の舞台稽古
も公開していますので、ぜひ、お気軽にのぞいてみてください。