パリから東京短期滞在中の作曲家から
作品に対する解説をききました。
楽譜を読み取ることの限界なのでしょうか、
楽譜という記譜法の不完全さなのでしょうか、
作曲家本人から語られる、
30年ちかく前に作品が書き上げられたときの、
4頁の小節線のない18段の五線譜のなかにこめられている、
測りしれない想いが伝わって、
貴重で得難い経験でした。
ピッチカートとアルコの音のひとつひとつ、
それらによる点と線の組み合わせ。
そして短い休符と長い沈黙。
点と線の対立・葛藤のなかにも、
全体のながれと区切りをつかむことが、
いかに重要であるか、
に思いいたる密度の濃い時間でした。
この測りしれない想いを、
いかに自分のことばとしていくか、
その道程の入口の階段の下にいるこれから、
段をひとつひとつのぼっていかなければなりません。
「カルチエミュジコって、どういう意味?」とよくきかれますが…。
身近なところで音楽を気軽に楽しんでいただこうと、室内楽のコン
サートを年に3~4回のペースで開催しています。
最初は劇団の作業場をお借りして始めました。そこの音響が気に入
ったからでしたが、ピアノがなく、客席の椅子も運び、照明も自分
たちの手でセットしました。そこが移転のためになくなって、今は
小さなホールを借りて続けています。
2001年からこの秋までで20回を超えることができました。珍しい
編成で演奏する回もあり、なかなか演奏されることの少ない曲目、
そして新しい作品を多く紹介しています。毎回本番直前の舞台稽古
も公開していますので、ぜひ、お気軽にのぞいてみてください。
| ホーム |