音楽をもっと身近なものにするために、ヴァイオリンを中心にさまざまな楽器編成で、演奏機会の少ない現代・近代の作品を取り上げて、室内楽コンサートを行っています。初めて聴く音楽に耳を澄ます楽しみを味わってください。
デュサパン『エクステンソ』のコンサート(大フィル)
パスカル・デュサパンのオーケストラ作品『エクステンソ』が
来る3月12日・13日に、大阪フィルの定期公演で演奏されます。

当日、会場にて『作曲のパラドックス』を販売する予定です。


■大阪フィルハーモニー交響楽団 第426回定期演奏会

2009年3月12日(木)、13日(金)
18:00開場 19:00開演

会 場:ザ・シンフォニーホール

指 揮:パスカル・ロフェ
合 唱:大阪フィルハーモニー合唱団
曲 目:
ドビュッシー/交響組曲「春」
デュサパン/「エクステンソ」
ラヴェル/バレエ音楽「ダフニスとクロエ」

詳細はこちら



エクステンソ パスカル・デュサパン作曲
EXTENSO(1993-1994), PASCAL DUSAPIN
Solo n°2 pour orchestre

3 flûte (aussi 1 flûte piccolo), 3 hautbois (aussi 1 cor anglais),
3 clarinette (aussi 1 clarinette basse), 3 basson (aussi 1 contrebasson),
4 cor, 3 trompette, 3 trombone, 3 percussionniste, 1 timbales (paire),
16 violon, 14 violon 2, 12 alto, 10 violoncelle, 8 contrebasse

リヨン国立管弦楽団委嘱作品
1994年10月13日 リヨン国立管弦楽団初演(Emmanuel Krivine指揮)

パスカル・デュサパンのCD/DVD
パスカル・デュサパンのCD

etude.jpg Pascal Dusapin : Etudes pour Piano
 Pascal Dusapin (musique & photographies)
 Vanessa Wagner (piano)
 2013/MUSICALES ACTED SUD






ピアノのためのエチュード(全7曲)収録。演奏はヴァネッサ・ワグネル。
パスカル・デュサパン自身による写真集付。
この『ピアノのためのエチュード』は、2007年のコレージュ・ドゥ・フランスでの講義の際にもとりあげられ、同じヴァネッサ・ワグネルが演奏した。開講講義『作曲のパラドックス』にも、楽譜の一部が掲載されている。
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Omensch.jpg O Mensch!
... die Hohen, die Nacht, der Tod ...

(歌曲集 「おお人間よ」)
 Georg Nigl (baritone)
 Vanessa Wagner (piano)
 2012/Col legno
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soloiste pour orche Pascal Dusapin: 7 Solos for Orchestra
 orchestre philharmonique
  de liege wallonie bruxelles
 direction: Pascal rophé
 Go (solo n°1), Extenso (solo n°2)
 Apex (solo n°3), Clam (solo n° 4)
 Exeo (solo n°5), Reverso (solo n°6)
 Uncut (solo n° 7)
 2010/Naive
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PD Perela Perela, l'homme de fumée 
 Peter Mussbach演出, Alain Altinoglu指揮
 Nora Gubisch(Ms), John Graham-Hall(T),
 Isabelle Philippe(S), Chantal Perraud(S)
 choeurs et orchestre
     national de Montpellier
 2005/Montaigne MO 782168.
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パリオペラ座委嘱作品(2003年2月バスチーユで初演)
伝統的な自然主義小説の論理的進展を完全に無視した二十世紀
イタリア最初のアンチ・ロマン、アルド・パラッツェスキ作の
「ペレラの法典」を原作として、デュサパンが台本も手がけた
オペラ『ペレラ-煙の男』




AQUIA.jpg Pascal DUSAPIN, À Quia
 Ian Pace (pf.), Orchestre de Paris
 Christoph Eschenbach (dir.)
 2004/Montaigne, MO 782164
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4quatuors DUSAPIN/KOERING, Quatre Quatuors
 Quatuor Danel
 Accord/2004, 476 1919
 
 P.デュサパン カルテットNo1,No4収録
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concertowatt Pascal DUSAPIN,
 Concertos Watt Galim Celo

 Juliette Hurel(fl.), Alain Trudel(tb.),
 Sonia W.Atherton(vc.)
 orchestre national de Montpellier,
 Pascal Rophé(dir.)
 Naïve/2003, MO 782153.
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musiquessolistes Pascal DUSAPIN, Musiques solistes
 Ensemble Accroche-note
 Laps / Itou / To God / If / Indeed /
 Mimi / Il-li-ko / Anacoluthe
 Canto / Ipso / Two Walking / Invece /
 So Full / In - Out / For O
 Accord - Una corda/2001, 461 788-2
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requiem Pascal DUSAPIN, Requiem
 chœur de chambre Accentus
 Ars Nova, Laurence Equilbey(dir.)
 Montaigne - Naïve/2000, MO 782116
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tobesung Pascal DUSAPIN, TO BE SUNG
 Rosemary Hardy(S), Susan Narucki(S),
 Sarah Leonard(S)
 Geoffrey Carey(speaker)
 Ensemble Le Banquet
 Olivier Dejours(dir.)
 MFA - Radio France/1998, MFA 216126
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inthesky "In the sky I am walking"
 with work of Stockhausen / Dusapin

 Voxnova
 Nine Native American Songs
 Red Rock(PD)
 In the sky I am walking...(KS)
 mode/1998
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extenso Pascal DUSAPIN,
 Extenso Apex La melancholia

 Nan Christie(S), Cécile Éloir(Ms),
 Timothy Greacen(Ct), Martyn Hille(T),
 chœurs de Lyon - Bernard Tétu,
 orchestre national de Lyon,
 Emmanuel Krivine David Robertson(dir.)
 Montaigne/1997, MO 782073/782124
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comoedia Pascal DUSAPIN,
 Comœdia First Aria Hop’

 Aks Coda Attacca
 Armand Angster(cl), Ars Nova ensemble
 Montaigne/1997/2001 MO 782150
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ainsilanuit DUTILLEUX, DUSAPIN, Ainsi la nuit
 Quatuor Arditti
 Ainsi la nuit (HD)
 Time Zones Quatuor III (PD)
 Montaigne/2000, MO 782125.
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medea Pascal DUSAPIN, Medeamaterial
 Hilde Leidland,
 ochestre de la Chapelle Royale
 Collegium vocale,
 Philippe Herreweghe(dir.)
 Harmonia Mundi/1993, HMC 905215
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romeo Pascal DUSAPIN, Roméo et Juliette
 C. Gerstenhaber(S), F. Kübler(S),
 N. Isherwood(Bs), J. Combey(Bs),
 Groupe Vocal de France
 Orchestre Symphonique de Mulhouse
 Luca Pfaff(dir)
 Accord-Una Corda/'91/2003, 472 726-2
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パスカル・デュサパンのDVD

faustus Faustus the Last Night 
 Peter Mussbach演出
 Jonathan Stockhamme指揮
 リヨン国立オペラ管弦楽団
 Georg Nigl, Faustus
 Urban Malmberg, Mephistopheles
 Robert Wörle, Sly
 Jaco Huijpen, Togod
 Caroline Stein, L'ange
 2006/03
 2006/Naïve


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『ファウストゥス・最後の夜』
ベルリン州立歌劇場・リヨン国立オペラ委嘱作品
(2006年1月21日 ベルリン初演)
クリストファー・マルロー著「ファウスト博士の悲劇」に基づくオペラ




composer Professeur Pascal Dusapin
  - Composer - Musique paradoxe flux

 College De France
 Doriane Films/2007



コレージュ・ドゥ・フランス芸術創造講座シリーズの
パスカル・デュサパンの開講講義を収録したDVD(2007年2月1日)。
『作曲のパラドックス』は、この講義の全訳である。

                             

テーマ:現代音楽 - ジャンル:音楽

〈ユダヤ人でないこと〉の眩暈
例えば「フランス人」、それから「ユダヤ人」と口にしてみる。思念の粟
立ちが明らかに異なる。西暦と同じ長きに渡って、ユダヤなるものが火種
であったヨーロッパではいかばかりかと想像する。キリスト教世界、近代、
そして今もまさに、宗教・政治…のさまざまな局面で、デリケートにして
困難な〈ユダヤ人〉問題めがけて、『私家版・ユダヤ文化論』(内田樹著、
文春新書519)
は跳 躍する。ユダヤ人思想家、タルムード学者のE.レヴィ
ナスを師とする著者は、中立的なユダヤ人研究書ではないと断りつつ、
〈否定〉に媒介されて存在してきたユダヤ人を語る言葉は、「他者」を、
ひいては自分自身を語ってしまうのだ、と自らの立ち位置を述べる。

ユダヤ人とは誰か(誰でないのか)を説き、近代フランスの反ユダヤ主義、
日猶同祖論、ユダヤ人陰謀史観など、反ユダヤ主義の系譜を丁寧にたどり
ながらも、著者は注意深く後じさり核心を迂回する。それゆえこの本をめ
ぐる語りもまた容易でなく、要約を迂回するよりほかなくなる。

白眉は、レヴィナス経由のユダヤ教理解である。ユダヤ人の聖史的宿命と
は「諸国民に先んじてより以上に受難すること」。神に選ばれたことは救
いの優先権ではなく、有責性を意味し、かれらは「私自身に対して他の人
々に対するよりもはるかに多くを要求する」。その神との関係においては、
罪深い行為ゆえの有責意識という因果律は否定される。罰への恐怖心は、
人間の善性を培わない。人間の善性と責任を基礎づけるためにユダヤ人は、
アナクロニズム(時間錯誤)的な時間意識に基づき、「かつて神=隣人を
追い払った」という「いまだ到来せず一度として現在になったことのない
出来事」を、偽りの起源的事実として引き受けた。ユダヤの神は、全責任
を一身に引受けるような人間の全き成熟を求めるがゆえ、救いのための顕
現を断念し、神の不在こそが神の偏在を証明する、ことになる。

著者は、多様な知的領域でのユダヤ人の突出ぶり、サルトルの『ユダヤ
人』、フロイトの強迫自責と宗教の起源の論考を反転させつつ論じ、有責
性と始原の遅れというユダヤ教概念を末尾に置く。かつて「これから存在
させねばならぬものを基礎づけるために、未だ存在したことのないものを
時間的に遡行して想像的な起点に措定」した集団がいて、その思考形式は
他の人々には「知性的」と映り、キリスト教に先立つ(呪われた)その信
仰・知性・過ぎ越す仕草への無意識下の強い欲望が、幻想の境位で憎悪と
して結像した。このアナクロニックな反ユダヤ主義の理路を、非ユダヤ的
に遡行して示された、この人々のありように、私は眩暈がしてしまう。そ
れは、ユダヤ的なものとの遭遇につきまとう眩惑の追体験、なのだろう。
NN

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私家版・ユダヤ文化論/内田樹 著(文春新書519)