音楽をもっと身近なものにするために、ヴァイオリンを中心にさまざまな楽器編成で、演奏機会の少ない現代・近代の作品を取り上げて、室内楽コンサートを行っています。初めて聴く音楽に耳を澄ます楽しみを味わってください。
カルチエドトンヌ2012 グエン・ティエン・ダオ コンセールポルトレ
QUARTIERS D'AUTOMNE 20I2
カルチエドトンヌ2012
グエン・ティエン・ダオ コンセールポルトレ
弦楽作品集
Nguyen Thien DAO CONCERT PORTRAIT

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2012年9月28日(金)19時開演
19h00 vendredi 28 septembre

杉並公会堂小ホール
JR/メトロ 荻窪駅
Suginami Koukaidou Salle Récital
JR/Métro OGIKUBO

ヴァイオリン 印田 千裕 
 violon Chihiro INDA
ヴァイオリン 花房 照子
 violon Akiko HANAFUSA
ヴィオラ 中山 良夫
 alto Yoshio NAKAYAMA
ヴィオラ 阿部 哲
 alto Satoru ABE
チェロ 津留崎 直紀 
 violoncelle Naoki TSURUSAKI
チェロ 印田 陽介
 violoncelle Yosuke INDA


■弦楽三重奏曲 梢のざわめき
□ cimes murmurées pour trio à cordes (1985)

■弦楽六重奏曲 1789 曙
□ 1789 l'aurore pour sextuor à cordes (1989)

■チェロ独奏のための アルコ・ヴィーヴォ
□ARCO VIVO pour violoncelle solo (2000)

■弦楽四重奏曲第1番
□QUATUOR À CORDES nº1 (1991)

〜作曲家ダオさんを迎えてのリハーサル風景(抜粋、音源のみ、静止画)
『チェロ独奏のためのアルコヴィーヴォ』


『弦楽四重奏曲第1番』


  グエン・ティエン・ダオ 
   ビオグラフィ
   公式サイト Nguyen Thien Dao



※プログラム等は変更される場合がございます。
 le programme n'est pas définitif

チケット
〈全席自由〉
一般  \3000
学生 \2000
児童 \1000
パスリゾーム・会員 
各\500引

関連協力企画
レクチャーコンサート「グエン・ティエン・ダオの世界」
2012年 9月29日(土)  
16時30分開場 17時開演
国立オリンピック記念青少年総合センター カルチャー棟小ホール
主催:知と文明のフォーラム

28日/29日セット券
一般5000円
学生3000円
(前売りのみ)


助成 公益財団法人 アサヒグループ芸術文化財団
後援 日本現代音楽協会
協力 一般財団法人 知と文明のフォーラム



パスリゾームは、これまでのカルネにかわって新設された現代音楽を楽しむためのメンバーシステムです。
カルチエのみならず、参加する現代音楽コンサートで割引料金でチケットを購入できます。
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★チケットは、右の〈チケット購入申し込みフォーム〉から、
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テーマ:現代音楽 - ジャンル:音楽

グエン・ティエン・ダオ ビオグラフィ 〈カルチエドトンヌ2012〉
■グエン・ティエン・ダオは、1940年、ベトナムハノイに生まれた。1953年フランスに渡り、1963年、国立高等音楽院に入学、1967年のオリヴィエ・メシアンとの決定的な出会い(そのクラスで作曲の一等賞を獲得)は、みずからを見い出す道へと導いた。

■子供時代からのイメージと、自然との長い瞑想に満たされながら、「天空と完全な想像上のポリフォニー」と、ベトナムと中国の詩にとりつかれ、みずからを「東洋と西洋、二つの文明の相続人」と自覚するようになった。

■微細な音程、音色、リズム構造と持続時間に基づく音楽構成による統合に取り組み、音楽的技巧と形式の要求にたえず関わる、叙事詩的な性格の感情豊かで情熱的な音楽の創造者と見られることを望んでいた。

■1969年にはロワイヤン・フェスティヴァルで、アンサンブルのための
《Tuyan Lua》委嘱初演、1971年にはラジオ・フランスでオーケストラ作品《Koskom》初演、1972年にはラロシェル・フェスティヴァルで2台のコントラバスと20楽器のための《Ba Me Vietnam》初演。1974年にオランダのエラスム財団のオリヴィエ・メシアン作曲賞の一等賞を受賞。1978年には、オペラ《Châu-Trong Thuy》がパリオペラ座で初演。

■1984年にフランス芸術アカデミーのアンドレ・カプレ賞を受賞、《ピアノとオーケストラのための協奏曲》がメッツで初演。1989年、《Symphonie pour pouvoir》がフランス国立管弦楽団によりシャンゼリゼ劇場で、《協奏曲1789》がリル国立管弦楽団によりリルで初演。1994年にはオペラ-オラトリオ《Les enfants d’Izieu》がアヴィニヨン演劇祭で初演。1995年と1997年には、《Hoa Tâu》と《Khai Nhac》ヴェトナム国立管弦楽団によりハノイ・オペラ劇場で初演。1998年には、《Giao-Hoa Sinfonia》がパリのラジオ・フランスで初演された。

■2000年には《Song Hon》が作曲家自身の指揮とハノイ管弦楽団によりハノイ・オペラ劇場で初演。21世紀の幕開けとともに、オーケストラと合唱のための《Kosmofonia》、2002年と2003年には、《Song Nhat Nguyen》と《Song Nhac Truong Chi》がハノイ・オペラ劇場で初演されている。
ごあいさつとアルティストの自己紹介にかえて 〈カルチエドトンヌ2012〉
ごあいさつにかえて

フランス音楽の最前線を紹介するシリーズの5人目の作曲家として、
ヴェトナム出身のグエン・ティエン・ダオさんのコンセール・ポル
トレを開催し、弦楽作品をまとめて紹介できることを、わたしたち
としてもたいへん誇りに思っています。

「唯一の自由は精神の自由だ」というモンテーニュのことばを引用
する1940年ハノイ生まれのダオさんは、時代と場所に誘引される荒
波にあらがいながらも、つねに音楽家としての精神の自由を大切に
し、すでに子供時代から身についていた西洋音楽と東洋音楽(ベト
ナム伝統音楽)を基礎としながら、これらの浅薄な妥協の産物とし
てでなく、自己のアイデンティティにもとずきながら、ぎりぎりの
限界のなかでの融合をこころみつづけ、みずからの音楽として開花
させているのです。

そのなかでも、変転する時代のなかで書かれた、編成ばかりでなく
それぞれ異なった作曲家の企図と内容をもつ4作品から構成された
プログラムをお聴き下さい。

カルチエミュジコ


中山良夫 (ヴィオラ)
長く在籍したオーケストラを辞めて4年がた
った。オケ時代も決してルーティンとして演
奏をしていたつもりは無いが、フリーとなっ
た今、一回一回の演奏機会が本当に大切に、
愛おしく感じられる。古典でも、今日のよう
な最先端の作品でも、歌謡曲の伴奏でも同じ
ように。単に老い先短いことが実感できるよ
うになってきただけのことかもしれないが。

阿部哲 (ヴィオラ)
現代音楽作品に取り組むときに感じる事があ
ります。言葉で表すのは難しいのですが、そ
れは絵画にも共通するイメージの様な物です。
いわゆる古典音楽を演奏しているときよりも、
現代音楽の表現は抽象絵画の様な表現の形に
近い側面を持っているように思います。作曲
者が想い描いていたイメージを再現する様な
演奏になればと思います。

印田陽介 (チェロ)
ダオさんの音楽に触れ、音楽の感じ方、音符
との向き合い方、アンサンブルの楽しさを今
一度考えさせられた気がします。各々の音が
重なり一つになって、一つの響きとしてそこ
に現れる。楽譜の通りにではなく、その効果
を読み解き音を並べる、その行為は懐かしく
それでいて新鮮でした。本日演奏される音も
恐らく楽譜通りではないですが(笑)その鮮
烈な効果をお届けできればと思います。

印田千裕 (ヴァイオリン)
小さな音符がぎっしりと並び、複雑な記号や
数字で埋め尽くされた、その美しい設計図の
ような譜面を前に、数字に弱い私は初め頭を
抱えるばかりでした。でも実際に音を出し、
皆で一つ一つ響きを確かめ合っていく作業は
とても楽しく、沢山の発見がありました。ダ
オさんの作り出した音の世界を通じて、今ま
た音楽の新たな魅力を感じています。

津留崎直紀 (チェロ)
ダオ氏はフランスでは良く知られた作家だが、
演奏するのは僕は今回が始めてだ。とても厄
介な音符が並んでいる。楽譜を見て初めは不
可能だと思う。途中からちょっと面白いと思
うようになって来た。この数週間でダオ氏の
素晴らしい世界をはっきりと理解できた。演
奏にこぎ着けられた幸福を思う。

花房照子 (ヴァイオリン)
ソロや室内楽、オーケストラ等で活動してい
ます。現代曲も色々と演奏しますが、ダオさ
んの曲は小節や固定されたテンポの枠にとら
われない自由な表現をされていて、よく演奏
中私の頭の中には全てが1つとして同じもの
がない幻想的な自然の情景のようなものが浮
かんできます。ダオさんにお会いし暖かいお
人柄に触れ、一層作品を演奏するのが楽しく
なりました。

テーマ:現代音楽 - ジャンル:音楽

プログラムノート 〈カルチエドトンヌ2012〉
カルチエドトンヌ2012 グエン・ティエン・ダオ コンセールポルトレ

弦楽三重奏曲 梢のざわめき
cimes murmurées pour trio à cordes (1985)

遠くに聞こえる風のささやき。ピッチカートが次第に活発になり、その後はゆったりとした音の波動にゆれながらも、三つの楽器によるトリルをともなった飛翔がゆっくりと交錯する。やがてもうひとつのうたが聞こえはじめ、フォルティティシモの短い閃光によってさまざまな葛藤がおこりながら、最後はピアニッシモで全曲が閉じられる。
1985年9月25日。ストラスブルク、フェスティヴァル・ムジカでパリ弦楽三重奏団により初演。フランス政府の委嘱。

 → この作品を聴く(抜粋)


弦楽六重奏曲 1789 曙
1789 l'aurore pour sextuor à cordes (1989)

さまざまに変化する自在な拍子、それぞれの楽器により表現される音色、多用されている微分音がこの6重奏全体を通しての特徴となっている。全曲はピッチカート、グリサンド、コルレーニョとさまざまな奏法、遠くから聞こえる音、微細で掴み処のない音楽を特徴とした5つの部分からなり、全曲は通して演奏される。
1989年8月10日、フェスティヴァル・エスティヴァル・ドゥ・パリでオーディトリウム・デ・アルにてAEIC弦楽6重奏団により初演。同六重奏団による委嘱作品。同名の作品にオーケストラ伴奏のヴァージョンもある。

 → この作品を聴く(抜粋)


チェロ独奏のための アルコ・ヴィーヴォ
ARCO VIVO pour violoncelle solo (2000)

アルコ・ヴィヴォ全体は、「朧げに」「抒情的に」「緊張して」「持続的に」そしてタイトルにもなっている「活発に」という短い5つのシークエンスに分かれるが、全曲を通じて叙情性と高度な技法、遠近感、詩情性、緊張感、持続性そして活発さといった共通の要素を持っている。
ラジオ・フランスの番組「アラ・ブレヴ」のために書かれた。2000年9月15日クリストフ・ロワ初演。「アラ・ブレヴ」は今日の音楽のために開かれた窓ような月曜から日曜まで毎日放送されている短時間の番組。


弦楽四重奏曲第1番
QUATUOR À CORDES nº1 (1991)

全体は以下の6つの部分に分かれるがつづけて演奏される。低音の和音で始まり、暗い進行がときどき短い閃光で遮られる短いグラーヴにつづいて、遠くに聞こえるするどい響きのなかに錯綜した音が入り混じるロンターノをあいだにかいして、同じ音型が繰り返されながらも徐々に活動的になっていくルバート。つづくアパショナートでは、大きく波打つトリルと和音の第1ヴァイオリン、揺れ動き続ける第2ヴァイオリン、高音にのぼりつめるピッチカートが響き渡るヴィオラを背景としてチェロが歌い続けるアパショナータ。金属的対決とそれを切り裂くような和音によるデュエル。最後のコン・ブリオではトリルによってしめされる押し寄せる波が砕け散って全曲を閉じる。
1992年3月29日ラヴェル弦楽四重奏団により、パリのサル・ガヴォーで初演。ラジオ・フランスによる委嘱。