音楽をもっと身近なものにするために、ヴァイオリンを中心にさまざまな楽器編成で、演奏機会の少ない現代・近代の作品を取り上げて、室内楽コンサートを行っています。初めて聴く音楽に耳を澄ます楽しみを味わってください。
「音に慣れ親しんだ芸術」カルチエ・デテ2009
エディット・カナ=ドゥ=シズィ  音に慣れ親しんだ芸術

50年間に歩んできた道は、作曲している音楽のようである。とても具体的な響きのある弦楽器ための作品やアンサンブルから出発し、つぎに聴取や響きから周辺にある種子を探索してきたことが、音に対する貪欲さとなまめかしさにつながっている。

コンセルヴァトワールに入学しなければ、子供の頃からの室内楽の練習からヴァイオリンの道に進んでいたであろう。真剣に勉学に取り組んでバカロレアを手に入れると、リヨンからパリに出て、考古学や哲学の大学修士課程ののち、コンセルヴァトワールに進んだ。厳格な3つのクラス-和声・フーガ・対位法のエクリチュール-では、満足感と高揚感を手に入れた。情熱は形をなし、つきまとっていたヴァイオリンの響きは、人間の声と同様にオーケストラの木管を喚起させる、弾むようなダイナミスムや和声のスペクトルにしたがった語法を見出した。

イヴォ・マレックの作曲クラスでは、偶然性音楽の主要な要素として、リズミックな動きや音響的ひろがりの組み合わせを学んだ。しかし、方程式や理論的システムへ適応させるこの教育は彼女にやる気をなくさせた。才能を見出した作曲家モーリス・オアナとの出会いは、反対に翼を与えた。音響空間をエクリチュールに閉じ込めるためにいそがないで、自然にうたわせるために、やってくるままにしながらなじませることを教わった。

音楽研究グループでは、奇術師の偉大な芸術に使用する電気音響技術である情報ループのシークエンスのミキサージュやコラージュやモンタージュを学んだが、そのために鉛筆と消しゴムを放棄することはなかった。彼女の音楽は、身体性と同時に心理的な存在によって陶酔させる。

トリオやオラトリオやコンチェルトなどの過去の編成も声を失っていないことを証明している。仕事のなかでの理論的時間ではなく、生き生きとした継続を語っている。「アイディアがわきあがったときに、すぐに時間を測ってみます。継続時間を確認するために、何度も頭のなかで繰り返すのです。そして、もしそのシークエンスが、20秒間にわたって展開するなら、紙の上で推敲しながらそれを超過しないようにするのです」

この真摯さは音楽に偉大な透明さを与え、ある作品が続く作品の跳躍台となり、その道筋のなかでは「とても親密であると同時に近寄りがたい何物かに到着するための恒久的モティヴェーション」がより本質的なものとなるのである。
ベルナール・メリゴー

 ◆ビオグラフィ
 ◆カルチエ・デテ2009コンセール
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