音楽をもっと身近なものにするために、ヴァイオリンを中心にさまざまな楽器編成で、演奏機会の少ない現代・近代の作品を取り上げて、室内楽コンサートを行っています。初めて聴く音楽に耳を澄ます楽しみを味わってください。
パスカル・デュサパンクラリネットとチェロのためのデュオ『オエ』
デュオで受けたデュサパンの公開レッスンを振り返ると、レッスンを受けていく間にどんどん音や曲全体が色づいてゆくような感覚を受けたのを覚えています。説明やイメージは決して観念的でなく、人の声や、息、距離感、行った事のない遠くの国の言葉や音楽の響きであったりと、どれも自然で、とても受け入れやすいものでした。と共に、自分の引き出し、イメージの少なさも同時に痛感させられたのも事実です。アンサンブル面では、はい、ここが一緒でここの拍を合わせて、というものではなく、タイトルの『オエ』について、デュサパンの言っていた「どこかの海の船乗りが、二隻の船にそれぞれ乗っていて、航海中お互いを遠くから呼び合っている」かのような、お互いをしっかりと感じていつつ独自に自分も歩んでいる、というアンサンブルが理想なのですが…。誰の曲もそうですが、彼の曲の場合は特に、弾く人によって、180度、全く違う曲に聞こえてしまうんではないかと思います。曲自体が、奏者の身体や言葉の感覚などを顕著に引き出すような気がするからです。自分は日本人であり、やはり日本独特のリズム感、間などが良い意味でも悪い意味でも体にしみ込んでいるため、ピチカートのソロの場所などは、いかにも太棹三味線に聞こえてしまいます。また違う国の奏者が同じ場所を演奏したら、全く異なるんだろうと思います。鏡のようなフレキシブルさを持っていて、人間の奥底のなにか根本的なものに直結して描かれたような作品に会えた事は、なにより新鮮でした。今はドイツで勉強しているのですから、様々な感覚を磨いて、養って、もう一度この曲に挑戦したいと思っています。

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