音楽をもっと身近なものにするために、ヴァイオリンを中心にさまざまな楽器編成で、演奏機会の少ない現代・近代の作品を取り上げて、室内楽コンサートを行っています。初めて聴く音楽に耳を澄ます楽しみを味わってください。
プログラムノート 〈カルチエドトンヌ2012〉
カルチエドトンヌ2012 グエン・ティエン・ダオ コンセールポルトレ

弦楽三重奏曲 梢のざわめき
cimes murmurées pour trio à cordes (1985)

遠くに聞こえる風のささやき。ピッチカートが次第に活発になり、その後はゆったりとした音の波動にゆれながらも、三つの楽器によるトリルをともなった飛翔がゆっくりと交錯する。やがてもうひとつのうたが聞こえはじめ、フォルティティシモの短い閃光によってさまざまな葛藤がおこりながら、最後はピアニッシモで全曲が閉じられる。
1985年9月25日。ストラスブルク、フェスティヴァル・ムジカでパリ弦楽三重奏団により初演。フランス政府の委嘱。

 → この作品を聴く(抜粋)


弦楽六重奏曲 1789 曙
1789 l'aurore pour sextuor à cordes (1989)

さまざまに変化する自在な拍子、それぞれの楽器により表現される音色、多用されている微分音がこの6重奏全体を通しての特徴となっている。全曲はピッチカート、グリサンド、コルレーニョとさまざまな奏法、遠くから聞こえる音、微細で掴み処のない音楽を特徴とした5つの部分からなり、全曲は通して演奏される。
1989年8月10日、フェスティヴァル・エスティヴァル・ドゥ・パリでオーディトリウム・デ・アルにてAEIC弦楽6重奏団により初演。同六重奏団による委嘱作品。同名の作品にオーケストラ伴奏のヴァージョンもある。

 → この作品を聴く(抜粋)


チェロ独奏のための アルコ・ヴィーヴォ
ARCO VIVO pour violoncelle solo (2000)

アルコ・ヴィヴォ全体は、「朧げに」「抒情的に」「緊張して」「持続的に」そしてタイトルにもなっている「活発に」という短い5つのシークエンスに分かれるが、全曲を通じて叙情性と高度な技法、遠近感、詩情性、緊張感、持続性そして活発さといった共通の要素を持っている。
ラジオ・フランスの番組「アラ・ブレヴ」のために書かれた。2000年9月15日クリストフ・ロワ初演。「アラ・ブレヴ」は今日の音楽のために開かれた窓ような月曜から日曜まで毎日放送されている短時間の番組。


弦楽四重奏曲第1番
QUATUOR À CORDES nº1 (1991)

全体は以下の6つの部分に分かれるがつづけて演奏される。低音の和音で始まり、暗い進行がときどき短い閃光で遮られる短いグラーヴにつづいて、遠くに聞こえるするどい響きのなかに錯綜した音が入り混じるロンターノをあいだにかいして、同じ音型が繰り返されながらも徐々に活動的になっていくルバート。つづくアパショナートでは、大きく波打つトリルと和音の第1ヴァイオリン、揺れ動き続ける第2ヴァイオリン、高音にのぼりつめるピッチカートが響き渡るヴィオラを背景としてチェロが歌い続けるアパショナータ。金属的対決とそれを切り裂くような和音によるデュエル。最後のコン・ブリオではトリルによってしめされる押し寄せる波が砕け散って全曲を閉じる。
1992年3月29日ラヴェル弦楽四重奏団により、パリのサル・ガヴォーで初演。ラジオ・フランスによる委嘱。
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