音楽をもっと身近なものにするために、ヴァイオリンを中心にさまざまな楽器編成で、演奏機会の少ない現代・近代の作品を取り上げて、室内楽コンサートを行っています。初めて聴く音楽に耳を澄ます楽しみを味わってください。
ごあいさつとアルティストの自己紹介にかえて 〈カルチエドトンヌ2012〉
ごあいさつにかえて

フランス音楽の最前線を紹介するシリーズの5人目の作曲家として、
ヴェトナム出身のグエン・ティエン・ダオさんのコンセール・ポル
トレを開催し、弦楽作品をまとめて紹介できることを、わたしたち
としてもたいへん誇りに思っています。

「唯一の自由は精神の自由だ」というモンテーニュのことばを引用
する1940年ハノイ生まれのダオさんは、時代と場所に誘引される荒
波にあらがいながらも、つねに音楽家としての精神の自由を大切に
し、すでに子供時代から身についていた西洋音楽と東洋音楽(ベト
ナム伝統音楽)を基礎としながら、これらの浅薄な妥協の産物とし
てでなく、自己のアイデンティティにもとずきながら、ぎりぎりの
限界のなかでの融合をこころみつづけ、みずからの音楽として開花
させているのです。

そのなかでも、変転する時代のなかで書かれた、編成ばかりでなく
それぞれ異なった作曲家の企図と内容をもつ4作品から構成された
プログラムをお聴き下さい。

カルチエミュジコ


中山良夫 (ヴィオラ)
長く在籍したオーケストラを辞めて4年がた
った。オケ時代も決してルーティンとして演
奏をしていたつもりは無いが、フリーとなっ
た今、一回一回の演奏機会が本当に大切に、
愛おしく感じられる。古典でも、今日のよう
な最先端の作品でも、歌謡曲の伴奏でも同じ
ように。単に老い先短いことが実感できるよ
うになってきただけのことかもしれないが。

阿部哲 (ヴィオラ)
現代音楽作品に取り組むときに感じる事があ
ります。言葉で表すのは難しいのですが、そ
れは絵画にも共通するイメージの様な物です。
いわゆる古典音楽を演奏しているときよりも、
現代音楽の表現は抽象絵画の様な表現の形に
近い側面を持っているように思います。作曲
者が想い描いていたイメージを再現する様な
演奏になればと思います。

印田陽介 (チェロ)
ダオさんの音楽に触れ、音楽の感じ方、音符
との向き合い方、アンサンブルの楽しさを今
一度考えさせられた気がします。各々の音が
重なり一つになって、一つの響きとしてそこ
に現れる。楽譜の通りにではなく、その効果
を読み解き音を並べる、その行為は懐かしく
それでいて新鮮でした。本日演奏される音も
恐らく楽譜通りではないですが(笑)その鮮
烈な効果をお届けできればと思います。

印田千裕 (ヴァイオリン)
小さな音符がぎっしりと並び、複雑な記号や
数字で埋め尽くされた、その美しい設計図の
ような譜面を前に、数字に弱い私は初め頭を
抱えるばかりでした。でも実際に音を出し、
皆で一つ一つ響きを確かめ合っていく作業は
とても楽しく、沢山の発見がありました。ダ
オさんの作り出した音の世界を通じて、今ま
た音楽の新たな魅力を感じています。

津留崎直紀 (チェロ)
ダオ氏はフランスでは良く知られた作家だが、
演奏するのは僕は今回が始めてだ。とても厄
介な音符が並んでいる。楽譜を見て初めは不
可能だと思う。途中からちょっと面白いと思
うようになって来た。この数週間でダオ氏の
素晴らしい世界をはっきりと理解できた。演
奏にこぎ着けられた幸福を思う。

花房照子 (ヴァイオリン)
ソロや室内楽、オーケストラ等で活動してい
ます。現代曲も色々と演奏しますが、ダオさ
んの曲は小節や固定されたテンポの枠にとら
われない自由な表現をされていて、よく演奏
中私の頭の中には全てが1つとして同じもの
がない幻想的な自然の情景のようなものが浮
かんできます。ダオさんにお会いし暖かいお
人柄に触れ、一層作品を演奏するのが楽しく
なりました。

テーマ:現代音楽 - ジャンル:音楽

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