音楽をもっと身近なものにするために、ヴァイオリンを中心にさまざまな楽器編成で、演奏機会の少ない現代・近代の作品を取り上げて、室内楽コンサートを行っています。初めて聴く音楽に耳を澄ます楽しみを味わってください。
パスカル・デュサパン ビオ
■1955年、フランス東部のナンシィ生まれのパスカル・デュサパンは幼少の頃より音の世界に興味をもち、視覚的なものより音の思い出をより多くもっていると語っている。オルガンとピアノを学びながら、ビートルズやジャズなど幅広いジャンルの音楽に接した。

■健康上の理由から器楽奏者になる夢はあきらめたが、文学少年だったかれは、音楽を書くことによって、内面的にも強く音楽と結びついていった。造形芸術と科学、芸術、美学をソルボンヌで学んだのち、クセナキスの講義を受講し、この頃に影響をうけたヴァレーズ、ドナトーニとともに、みずからも「べつの」音楽史に属すると述べている。1978年、コンサートではじめて作品が演奏され、これまで130曲ほどの作品がある。

■2005年11月に、パリのシテ・ドゥ・ラ・ミュジークの3日間にわたる弦楽四重奏曲シリーズの9コンサートのなかに、アルディッティによる『第五番』の初演をはじめとする全五曲が、バッハの『フーガの技法』カルテット版やベートーヴェンとともにプログラミングされた。その後、オーケストラ伴奏の『第六番』につづいて『第七番』が書かれている。

■オペラでは、03年パリ、オペラ・バスティーユの『ペレラ-煙男』につづいて、同じペーター・ムスバック演出によりベルリン・シュターツオーパにおいて『ファウスト-最後の夜』(06年)が初演された。その後、08年にエクサンプロヴァンス音楽祭で『パッション』が初演された。声楽曲ではニーチェのテクストによる連作歌曲『おお、人間よ』(11年)がバリトンのジョルジュ・ニグルとピアノのヴァネッサ・ヴァグネールによってブッフ・デュ・ノールで初演されている。

■オーケストラ曲では、7曲からなる「ソロ」のシリーズののちに、パリ管弦楽団などの委嘱によるオーケストラのための協奏曲『ロングアイランドの朝』が初演された。今年7月のオランダ・フェスティヴァルではルノー・キャプソンの独奏で『ヴァイオリン協奏曲』が初演されている。

■2009年には、シテでパスカル・デュサパンの「私的領域」特集が組まれ、オペラ『パッション』とともにオーケストラのためのソロ『第7番』の初演をはじめとする全7曲、弦楽四重奏曲など、6コンサートが開催された。「作曲することは、楽譜と音楽の完全な等価値への望みが、永久に満たされないという事実に同意することです」と述べている。2014年のサントリー・サマー・フェスティヴァルのテーマ作曲家に予定されている。
(『作曲のパラドックス』あとがきより転載追補)

                             

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